あらすじ
26歳のフリーター、花垣武道は無為に日々を過ごしていたが、ある日、ニュースで中学時代の元カノ・橘日向が亡くなったことを知ります。彼は自分の人生の意味のなさに絶望しながら駅のホームを歩いていると、突然何者かに背中を押され、電車にひかれて命を落としてしまいます。しかし次に気づくと、武道は12年前の中学2年生にタイムリープしていました。
当時、不良だった武道は不良グループ「東京卍會」にケンカを売り、ボコボコにされるところでしたが、未来で日向が東京卍會に殺されることを思い出します。しかし、状況が走馬灯のように見える武道は、何もできないと諦めてしまいます。失意の中、日向に会いに行き、その帰りに日向の弟・橘直人と偶然出会います。不良に絡まれていた直人を助けた武道は、気まぐれに未来で日向が死ぬことを彼に伝え、7月1日に彼女を救ってほしいと頼みます。
直人と握手した瞬間、武道は再び現在に戻り、自分が死ぬはずだったことを知りますが、直人に助けられ、命を取り留めていました。過去で武道と直人が出会ったことで未来が変わり、死ぬ運命だった直人が生き残ったのです。しかし、日向の運命はまだ変わっておらず、直人の奮闘もむなしく、彼女は死ぬ運命にあったことが判明します。
これをきっかけに、直人は武道がタイムリープ能力を持っていると確信し、二人は協力して過去を変え、日向を救うために戦い続けることを決意します。
作者:和久井健
東京リベンジャーズのレビュー・感想
家族と仲間の絆に涙が止まりませんでした
フリーターの主人公タケミチが突然亡くなった学生時代の恋人・ヒナを救うべくタイムリープした先で、いわゆる暴走族の総長とひょんなことから出会い友情を築いていく青春物語です。暴走族の総長と聞きその設定に驚く人が大半かと思いますが、彼・佐野万次郎の素の部分は友情と家族愛に溢れた心優しい少年です。彼のチームである東京卍會が未来でヒナ死亡に深く関わっていることがこの物語のキーになります。「東京リベンジャーズ」シリーズに私は実写版映画で出会いました。当時公開されていたのは“血のハロウィン編”で、東卍が結成されたバックグラウンドストーリー、そしてその過去が招く悲しい結末にこんなに泣けるんだと思うくらいに涙が止まりませんでした。全体を通して人の死が大きなテーマとして取り上げられています。中高生でそのような境遇を体験する彼らに感情移入して作品にのめり込みました。大切な仲間、家族がいる人にぜひ読んでほしいです。