あらすじ
この物語は、32歳でまだ性的経験のないOL・香坂まい子が、恋愛や性の悩みを抱えながら成長していくラブコメディです。まい子は職場では細やかな気遣いができ、同僚とも良好な関係を保つ普通のOLですが、未だにセックスを経験していないことがコンプレックスで、周囲にはその事実を隠し続けています。まい子は早く処女を捨てたいと焦りますが、なかなか上手くいかず、女性用風俗を調べるも踏み切れず、同窓会で再会した元カレに頼んで初体験を試みるものの失敗してしまいます。
陶芸教室で知り合った男性ともホテルに誘われるが、彼を生理的に受け付けられずに逃げ帰り、自分が本当に求めているのは愛のないセックスではないのではと深く落ち込みます。
そんな中、職場のコピー機修理に来たメンテナンス業者・鍵谷と出会います。まい子は、名刺交換や会話を通じて鍵谷と徐々に親しくなり、仕事以外でも話せるように。偶然、陶芸教室で知り合った男性とのトラブルの際に鍵谷に助けられたことで、彼に対する信頼感が深まり、まい子は鍵谷を食事に誘います。
二人は楽しく過ごし、次第に距離が縮まっていきますが、まい子の部屋でいい雰囲気になったところで、突然鍵谷が謝りながら去ってしまいます。この出来事が今後の二人の関係にどう影響を与えるのかが物語の鍵となります。
作者：板倉梓
瓜を破るのレビュー・感想
一緒に悩めるほんわか物語です
広告で見かけたので読んでみました。高齢処女という若干重めのテーマを題材に物語が展開していきます。処女を早く卒業したい気持ちと、自分を大切にしたい気持ちで葛藤する主人公の姿につい共感してしまい、応援したくなりました。最新刊では無事に大切な人と添い遂げる事ができ、ほっとしました。主人公を取り巻く個性的なキャラクターたちも魅力的で、「モブ」と呼ばれるキャラクターはいないように感じるくらい、全員が丁寧に描かれています。それぞれに悩みや葛藤・物語があって、読んでいて一緒に笑顔になったり悲しくなったり、非常に展開が面白く飽きずに読めます。絵も可愛らしく安定していて、人物の書き分けがしっかりできています。今後の展開が待ち遠しいです。