あらすじ
『ミステリと言う勿れ』は、田村由美の新しいシリーズで、主人公の久能整が中心のミステリー作品です。整は天然パーマの髪が特徴的な大学生で、ある冬の日、カレーを作っている最中に突然警察に任意同行を求められます。彼には近隣で発生した殺人事件の容疑がかけられ、その被害者は彼の同級生だったことが判明します。
警察は整に対して次々と容疑を裏付ける証拠を突きつけます。整はその場で冷静さを保ちながら、自らの無実を証明しようと試みます。この物語は、整が直面するさまざまな状況を通じて、彼の解決能力と人間性が試される過程を描いています。
『ミステリと言う勿れ』は、単なる犯罪解決の物語ではなく、主人公の内面的な葛藤や成長、そして彼を取り巻く人々との関係性も深く掘り下げています。田村由美の鮮烈な筆致で、読者は一筋縄ではいかない展開と複雑な人間ドラマの中で、真実を究明していくスリルを味わうことができます。
作者:田村由美
漫画:ミステリーと言う勿れのレビュー・感想
人生を豊かにする本格ミステリー
変わり者の久能整くんが鋭い洞察力で事件を解決していく漫画です。漫画の雰囲気はとても落ち着いており淡々と話が進んでいきます。事件はハッ!と心が揺さぶられるほどではありませんが、とても考えられていて深く感心するものばかりです。また毎話ストーリーの間に挟まれる整君のいい話が心に響くいい話ばかりです。常識に囚われない物事の本質的を見極めるような内容ので、読み終わったあと、実際自分はどう思っているか考えるきっかけになり、人生が豊かになった気持ちになります。
自分の価値観について考えさせられる作品
田村由美先生の作品は色々と拝読していますが、その中でも一押しの作品です。主人公の「久能整(くのう ととのう)」君が紡ぐ言葉の数々は、自分が日々、何となく「当たり前のこと」として捉えている価値観について根底から覆される感覚を覚えます。物語(ストーリー)は数話完結となっており、大変読みやすいです。その中にも全体に横たわる謎や魅力的な登場人物も巻を追うごとに増えていき、今後も目が離せない作品となっています。